火星の調査、解析は人類全体の未来、公共の福祉に資することができるのでしょうか?
異星人の火星での存在よりも興味深いテーマです。
NASAの火星探査機「MRO」が火星探査車「Perseverance」を周回軌道上から撮影
sorae
2021/10/02 17:15NASAの火星探査機「MRO」が火星探査車「Perseverance」を周回軌道上から撮影
(msn.com)
こちらは火星のジェゼロ・クレーター(直径45km)の内部を撮影した画像です。岩が連なるゴツゴツとした露頭と幾筋もの砂丘が入り混じる荒涼とした風景が広がっていますが、画像の中央付近に小さな白っぽい物体が写っているのがわかりますでしょうか。
この物体は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査ミッション「マーズ2020」の探査車(ローバー)「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」です。画像はNASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」の高解像度撮像装置「HiRISE」(The High-Resolution Imaging Science
Experiment)を使って火星の周回軌道上から撮影されたもので、Perseveranceの近くには火星表面に刻まれた走行痕も見えています。
Perseveranceは2021年2月にジェゼロ・クレーターへの着陸に成功し、将来のミッションで地球に持ち帰られる予定の岩石サンプルをこれまでに2本採取することに成功しています。また、Perseveranceに搭載されて火星に到着した火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」は2021年4月に史上初となる火星での制御された動力飛行に成功し、これまでに13回の飛行を終えています。
関連:NASA火星探査車Perseveranceが2本目の岩石サンプル採取、地下水が長期間存在した可能性も示される
NASAの火星探査ミッションは火星の「合」に備えてコマンド(指令データ)の送信を2週間ほど停止する予定ですが、現在Perseveranceは冒頭画像の左側に見える砂丘と右側に見える岩の露頭の間にある地形が穏やかな場所に停車しており、ここでコマンド送信の休止期間を乗り切ることになります。地球からの指令が届かない期間中も探査機や探査車は自律的に稼働し続け、Perseveranceは気象測定や塵旋風の観測を続けることが計画されています。
▲PerseveranceのTwitter公式アカウントによるツイート。MRO撮影の画像と停車地点から撮影された岩の露頭の画像が添付されている▲
なお、MROは以前にも着陸6日後のPerseveranceを撮影しており、今回の画像に写るPerseveranceは前回撮影時に停車していた着陸地点から直線距離で約700m離れた場所まで移動しています。画像を公開したアリゾナ大学の月惑星研究所(LPL)によると、HiRISEによる高解像度画像は火星探査車の走行ルートを検討したり、観測データをクレーター内の環境と結びつけたりする上で役立てられているとのことです。
関連:NASAが火星探査機・探査車へのコマンド送信を2週間停止する予定、火星の「合」に備える
Image Credit:
NASA/JPL/University of Arizona
Source: アリゾナ大学月惑星研究所(LPL)
文/松村武宏