木星の衛星エウロパの謎 ~NASAの探査機がついに挑む~

木星の衛星エウロパで水蒸気を検出・・生命の存在を確認するために探査機を2020年に打ち上げ

NASAの探査機エウロパ・クリッパーの想像図(© NASA/JPL-Caltech

NASAは、木星の衛星エウロパ表面で初めて水蒸気を検出した。

エウロパは、氷の下の海で生命を宿しているかもしれない。エウロパは地球の2倍の水を保持している可能性がある。今後、NASAの探査機がエウロパを訪れ、地球外生命体についての手がかりを探すことになる。

以下はエウロパとその海、そして地球外生命の可能性についてわかっていることだ。

氷に覆われた木製の衛星は、ますます生命をその海に宿しているようにみえる。
20191118日、NASAはエウロパと呼ばれる木星の衛星で、水蒸気を初めて公式に測定したと発表した。この発見は、エウロパが生命に適した材料をすべて備えていることを示している。

適切な物質と火山活動を考えると、エウロパの地表下の塩水の海の奥深くに生命が誕生す
る、あるいはすでに誕生している可能性はある。科学者たちが宇宙の生命を探すためにエウロパに注目している理由はここにある。

1990年代後半にNASAの探査機ガリレオによって撮影されたエウロパ。

(記事出典:Morgan McFall-Johnsen
2019/11/24 07:00 https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/木星の衛星エウロパで水蒸気を検出生命の存在を確認するために探査機を2020年に打ち上げ/ar-BBXeAUB?ocid=spartandhp)
NASA/JPL-Caltech/SETI Institute
[原文:NASA just detected water vapor on a moon of Jupiter yet another clue that Europa's hidden ocean could hold alien life
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue


衛星エウロパの「パイプ構造」の謎
通常の解釈では説明がつかない奇妙なシワ

木星の衛星エウロパは、特異な天体だ。大きさは赤道上の直径で3138kmと月よりやや小さく、豊富な水が存在することから、以前から地球以外で生命が存在する可能性が最も高いとされてきた。

ところで、NASAの木星探査機ガリレオが撮影したエウロパの高解像度画像には、奇妙なパイプ構造がいたるところにみられる。しかもそれらパイプ構造が立体交差し、まるで陸橋のように浮いた状態になっているのだ。

エウロパの地表は、厚さ3kmに及ぶ氷で覆われており、これらの構造は木星の潮汐力によってエウロパ表面の氷がゆっくりと移動して、シワのように押し上げられてできたものと考えられている。

しかしそのようなメカニズムが働いたとすれば、シワ同士は融合するが、あるいは古くからあるシワは崩れてしまうはずである。しかしエウロパのシワ同士は立体的に重なりあい、また絡み合いながら完全な形で存在している。一般的な解釈では説明しきれないのである。

また氷は流れて移動するという性質があり、このような氷でできた巨大で複雑な構造物が、いつまでも同じ形をとどめていること自体ありえないことである。そうだとすると、このシワにみえる構造は何らかの目的をもった人工物なのではないだろうか?

想像できるのはパイプラインである。

何らかの気体か、水のような液体状のものを運ぶため、初めからパイプラインが設計され、敷設されたものではないだろうか?

エウロパのあらゆる箇所に何か重要な物質をパイプで運ぶため、必然的にこのような複雑な構造になったのかもしれない。
(出典:『宇宙のオーパーツFILE』並木伸一郎著 学研プラス 2016年5月3日)

※表面観察だけでは何ともいえませんよね。仮に対象が異星人を想起させるものであったとしても変に画像をぼかさず、修正を入れずに全面公開してほしいと思います。多くの人たちは「真実」が知りたいのですからね。バイアスがかかった画像映像に本来要はないです。真実から議論は始まるのです。

エウロパの水噴出の新たな証拠を発見。

探査機「ガリレオ」の観測データを再解析

sorae

2020/05/15 20:58 https://www.msn.com/ja-jp/news/future/エウロパの水噴出の新たな証拠を発見。探査機「ガリレオ」の観測データを再解析/ar-BB1489y5?ocid=spartandhp

© sorae 木星の衛星「エウロパ」(Credit: NASA/JPL-Caltech/SETI Institute

  厚さ数kmの氷の地殻の下に大量の液体の水(海)があると考えられている木星の衛星エウロパでは、地殻の割れ目から水が噴出しているとみられており、幾つかの証拠も示されています。今回、NASAの木星探査機「ガリレオ」によって得られた観測データを調べた結果、ガリレオが2000年にエウロパの水噴出に遭遇していた可能性が指摘されています。

 観測された高エネルギー陽子の減少に水噴出が関与していたか

  Hans HuybrighsESA:欧州宇宙機関)らの研究チームは、2000年にガリレオが取得した観測データを再解析したところ、エウロパで水が噴出していることを示す新たな証拠が得られたとする研究成果を発表しました。

今から20年前の2000年、木星を周回探査していたガリレオがエウロパに接近したところ、木星の強力な磁場のなかで通常は豊富に検出される高エネルギー陽子が減少する様子を観測しました。過去の研究では、エウロパそのものによって高エネルギー陽子がさえぎられたために、ガリレオの観測装置で検出される量が減少したものと理解されていたといいます。

Huybrighs氏らが当時の観測データをもとに詳細なシミュレーションを行ったところ、エウロパからの水噴出にともなう周辺環境の変化を考慮した場合にのみ、高エネルギー陽子の検出量が減少する結果が得られたといいます。研究チームでは、高エネルギー陽子がエウロパからの噴出物や希薄な大気を構成する物質に衝突したことで電子を得て非荷電粒子化し、結果として高エネルギー陽子の検出量が少なくなったものと考えています。

研究者たちは、ガリレオによる周回探査が行われていた当時からエウロパでは水が噴出している可能性が高いと考えており、この10年ほどの間に水の噴出を示唆する証拠が見つかり始めています。2016年には「ハッブル」宇宙望遠鏡によってエウロパから噴出する水らしきものが撮影されている他に、同年にはハワイのW.M.ケック天文台にある「ケック望遠鏡」も噴出した水分子が発したとみられる赤外線を捉えることに成功しています。

研究チームでは、2022年に探査機が打ち上げられる予定の木星氷衛星探査計画JUICEに期待を寄せています。ESAが主導し宇宙航空研究開発機構(JAXA)やNASAなどが参加するJUICEでは、エウロパ、ガニメデ、カリストの地下にあるかもしれない海の探査や、噴出した物質の採取を通して地下の海の組成を調べることなどが予定されています。

 © sorae ハッブルによって撮影されたエウロパの水噴出とみられる現象(矢印)を示した合成画像(Credit: NASA/ESA/W. Sparks (STScI)/USGS Astrogeology Science Center

 関連:エウロパから噴出した水蒸気、地上から初観測。地球外生命の可能性に近づく

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SETI Institute

Source: ESA/ MPS

文/松村武宏



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