人類は地球型の惑星を宇宙に探し出すことができるか?

 太陽系の外では水蒸気の大気を持つ惑星が数多く存在する?

sorae

2021/03/24 21:10太陽系の外では水蒸気の大気を持つ惑星が数多く存在する? (msn.com)









© sorae 大気から水蒸気が検出された系外惑星「K2-18b」を描いた想像図(Credit: ESA/Hubble, M. Kornmesser


 太陽以外の恒星などを周回する太陽系外惑星は、この四半世紀ほどの間に4000個以上が発見されています。太陽系には岩石惑星(地球など)、ガス惑星(木星と土星)、氷惑星(天王星と海王星)がありますが、太陽系外では恒星のすぐ近くを公転する高温の惑星(サイズによってホットジュピターやホットネプチューンなどと呼ばれる)のように、太陽系のものとは異なるタイプの惑星が幾つも見つかっています。

 シカゴ大学のEdwin Kiteとスタンフォード大学のLaura Schaeferは、高温の系外惑星の一部が主に水蒸気でできた大気を持つ可能性を示した研究成果を発表しました。両氏によると、岩石惑星の一部は惑星の内部から放出された水蒸気に包まれており、水蒸気の大気は何十億年にも渡り維持されることも考えられるといいます。

 系外惑星のなかには地球と海王星の中間にあたるサイズの「スーパーアース」(大きな地球型惑星)や「サブネプチューン」(小さな海王星型惑星)と呼ばれるタイプの惑星も多く見つかっています。Kite氏は「私たちが住む太陽系には存在しませんが、海王星よりもやや小さな系外惑星が豊富なことには驚かされました」と語ります。両氏は今回このタイプの系外惑星について、大気がどのように進化するのかを分析しました。

 サブネプチューンは水素ガスが豊富な大気を持つ惑星として形成されるものの、公転周期が100日を下回るような主星に近い軌道を公転する場合、主星の強い放射によって大気が剥ぎ取られて岩石質のコア(核)が残されると考えられています。ただ、水素ガスの多くを失った岩石惑星(かつてのサブネプチューンのコア)が依然として大気を持ち得るかどうかはわかっていなかったと両氏は指摘します。

 両氏によると、サブネプチューンが水素ガスの大気を失うことで岩石質のスーパーアース(今回の研究では直径が地球の11.7倍と想定)へと変化する過程において、マグマオーシャンを介して水素の一部が惑星の内部に取り込まれることが考えられるといいます。水素を取り込んだマグマには酸化鉄が還元されることで生成された水が大量に貯蔵されることになり、この水が水素ガスの大気が失われた後で水蒸気として放出されることで、水蒸気が豊富な大気が長期間維持される可能性があるとされています。

 地球は表面に液体の水が存在する惑星ですが、宇宙を見渡せば液体ではなく気体の水(水蒸気)に包まれた惑星がめずらしくないのかもしれません。両氏は202110月に打ち上げ予定の宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」によって今回の成果が検証できることに期待を寄せています。

関連:太陽系外惑星「GJ 1132 b」の大気は火山活動によって再形成された?

Image Credit: Engine House VFX, At-Bristol Science Centre, University of Exeter

Source: シカゴ大学

文/松村武宏


動画

ハピタブルゾーン内で水蒸気のような大気をもつ惑星を確認。

人類の移住は可能か?

※地球人類は、徐々に地球外知的生命体の世界へむかっているのかもしれません。太陽系外だけでなく、太陽系の中の惑星でさえ知的生命体が居住する惑星があるように思えるのですが・・。



宇宙ハリケーンとは何か?

 宇宙ハリケーンが地球の上層大気で初めて観測される

sorae

2021/03/08 20:42宇宙ハリケーンが地球の上層大気で初めて観測される (msn.com)






© sorae 4機のDMSP衛星衛星による観測データと3D磁気圏モデリングのデータを使って作成された宇宙ハリケーンのイラスト図(Image Credit:Qing-He Zhang, Shandong University)

イギリス、レディング大学は202131日、レディング大学の研究員が参加する山東大学の研究チームが、20148月におこなわれた防衛気象衛星計画(DMSP)に属する人工衛星の観測データの分析から、宇宙ハリケーンの観測に成功したと発表しました。宇宙ハリケーンの観測に成功したのはこれが初めてとなります。

宇宙ハリケーンは、4機のDMSP衛星によって、北極の上空、数百kmのところで観測されました。いわゆる電離層で観測されたことになります。ちなみに国際宇宙ステーション(ISS)は高度約400kmほどのところを周回しています。

宇宙ハリケーンは、1000kmほどもある反時計回りのプラズマの渦で、いくつかのを持ち、水の雨の代わりに、電子の雨を降らせていました。また、最大で秒速2.1kmにもなるプラズマの流れが観測され、この現象は8時間ほどで徐々に静まり、消えたといいます。

研究チームによれば、このような宇宙ハリケーンは、太陽風や荷電粒子などの持つエネルギーが、通常ありえないほどに、広範かつ急速に地球の大気の上層部に伝わることで発生すると考えられるといいます。

これまでこのような宇宙ハリケーンが惑星の大気の上層部で観測されたことはありませんでした。しかし、研究チームによれば、今回の宇宙ハリケーンが地磁気の活動が弱い時期に発生したことを考えると、このような宇宙ハリケーンは太陽系の惑星や系外惑星において、比較的、一般的にみられる現象である可能性があるそうです。

もしかしたら、そのうち、太陽系の他の惑星でも、宇宙ハリケーンが観測されるかもしれませんね。

Image Credit:Qing-He Zhang, Shandong University

Source:レディング大学のプレスリリース/論文

文/飯銅重幸

関連動画

宇宙ハリケーンが地球を襲う!

UAPといえる現象。
宇宙空間でノーマルにおこる現象だとしたら、人類が宇宙へ打って出る時に注意すべき自然現象となることでしょう。

こちらは地球の自然現象のハリケーン