アメリカUAP・UFO最新報告。

 米軍によるUFO目撃件数、この1年で倍増した理由

WILLIAM VAILLANCOURT

2022/05/19 07:45米軍によるUFO目撃件数、この1年で倍増した理由 (msn.com)

 米下院情報委員会は現地時間2022年5月17日、50年ぶりにUFOに関する公聴会を開いた。その結果、未確認飛行物体(UFO)・未確認空中現象(UAP)の目撃件数は、これまでの見解よりもはるかに多いことが判明した。昨年の報告件数143件から250件増の393件まで増えていることを明らかにし、件数は増加しているものの、地球外生命体が関与した可能性は低いとした。

  報告件数が増加した理由の1つには、以前なら誰も報告しなかったような事例が今は報告されるようになったからだ、と海軍情報局のスコット・ブレイ副局長は述べた。また軍がUAP目撃にまつわる偏見の排除に努めてきたことで、以前より報告しやすくなったというのもある。公共ラジオNPRによると、「現在海軍および空軍のパイロットには、UAP目撃の際、手元のファイルに報告する細かい手順が定められている」とブレイ副局長は付け加えた。

 さらにブレイ副局長は目撃件数増加の理由として、センサーの改良やドローンの増加、それに風船などの「飛翔体」を挙げた。副局長が議員に提示した報告例にはこれまで機密扱いされてきた映像もあり、そこにはFA18戦闘機を追い抜いていくグレーの球状の物体が映っていた。

Deputy Director of Naval Intelligence Scott Bray shows a recent pilots UAP observation.

"In many cases, thats all that [an observation] report may include." pic.twitter.com/6D1WcNYmsq — Michael Sheetz (@thesheetztweetz) May 17, 2022

 議員らは公聴会で、UAPは国家安全保障に脅威をもたらしうる存在とみなすべきだ、と警鐘を鳴らした。「あまりにも長い間、UAPに対する偏見がしかるべき諜報分析を妨げてきた」と、下院の対諜報・対テロ対策小委員会の議長を務めるアンドレ・カーソン議員(民主党、インディアナ州代表)は述べた。「パイロットは報告をしたがらないか、報告したとしても笑い者にされた。懐疑的な国家安全保障委員会を恐れた国防省は、こうした問題を押し入れの隅に押しやるか、または完全に隠蔽していた。現在はもっと多くのことが分かっている。UAPは説明がつく。確かにその通り。だが現実のものだ。きちんと調査する必要がある。UAPがもたらす脅威はいずれも食い止めなければならない」

 国防省で諜報および安全保障を担当するロナルド・モルトリー次官は、情報源や調査手法、機密情報全般の保護と、問題の透明性のバランスを取る必要性を説明した。「我々が目指すべきは絶妙なバランスを取ることだ。そうすることで一般市民の信用を維持しつつ、兵士のサポートに必要不可欠な能力を保つことが可能となる」

 ブレイ副局長も、UAPの情報公開は「ケース・バイ・ケースで慎重に検討しなくてはならない」と付け加え、軍としては「自分たちが何を目視し理解できるのか、どのように結論を導くのか、敵に筒抜けにはしたくない」と述べた。

下院は公聴会の後、非公式の機密会合を行った。

※謎の飛行物体は我が国の空を飛びまわっています。これはやはり国防問題でしょう。

米海軍のパイロット、「ほぼ毎日のように」UFO目撃報告をしていた

EJ Dickson 2019/05/29 13:15米海軍のパイロット、「ほぼ毎日のように」UFO目撃報告をしていた | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

アメリカ時間2019526日、20142015年にかけて、米海軍のパイロットが「ほぼ毎日のように」未確認飛行物体の目撃情報を報告していたとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。中には「駒のような物体が風に逆らって進む」のを見た者もいたという。

 記事によれば、最初の目撃情報があったのは2014年夏。海軍のパイロットがヴァージニア~フロリダ間の上空3万フィート付近で飛行訓練中に、複数の飛行物体を見たと報告した。そのうちの1人は飛行物体のひとつに衝突しかけ、軍に正式な報告書を提出した。今年に入ってからもかなり頻繁に目撃されているようで、海軍は隊員たちに「説明不可能な航空現象」を報告する際の公式ガイドラインを発表した。今日まで、海軍からは目撃情報に関する公式見解は発表されていないものの、軍広報担当者は、目撃された物体のいくつかは無許可のドローンだったと発言している。

 2007
年に民主党のネバダ州上院議員で当時上院の民主党院内総務だったハリー・リード議員(UFO調査賛成派としても有名)が、先端航空宇宙脅威特定プログラム(「Advanced Aerospace Threat Identification Program」)なる機密計画の推進を呼びかけ始め、以来司法省は大気圏外の目撃情報の解明を行っていたといわれる。公式にはこの計画は2012年に終了したが、噂によれば現在もUFO目撃情報の調査を続けており、2004年に2名の海軍パイロットがサンディエゴ海岸で目撃した「巨大なTic Tacのような」カプセル型の物体の動画などを精査しているという。

 念のために行っておくと、ニューヨーク・タイムズ紙が取材した海軍パイロットの中で、未確認飛行物体が地球外から来たと推測するような者は誰一人いなかった。

 だが、こうした目撃情報に納得のいく説明がつくとしても(実際、ほとんどのケースで説明がつく)、海軍が報告ガイドラインを修正するほど頻繁に目撃されているという事実は、どんなに疑り深いアメリカ人でも疑念を抱かざるを得ない。こうした理由から、TikTokの爆発的人気と相まって、人類最後の日が近づいているのでは、という憶測まで飛び交っている。

 ヒストリーチャンネルは、全6話のノンフィクションシリーズ『UnidentifiedInside Americas UFO Investigation』の最新予告編を公開。この中で海軍パイロットのライアン・グレイヴス中尉とダニー・オコワン中尉は、2014年夏から20153月にかけてペンタゴンと議会へ向かう途中、東海岸沖に未確認飛行物体をたびたび目撃した、と証言している。

動画





  UAPという概念は、未確認の物体や現象が地球の大気圏でおこっていることを表現する上でとてもわかりやすい表現だと思います。しかし大気圏を飛行するものが飛行物体であった場合、それはどこの誰のものであり、何を目的としてやってきたものかを解明する目的があるなら、UFO呼称も捨てがたいかと思います。
 もうこれらは見間違い。でも錯覚でもありません。アメリカだけではなく世界中で各国の国防における解決すべき問題となっているとしたら、我が国も肯定し、対処の仕方も検討を深めるべきです。

ここにきてアメリカ政府と米軍が、「UFOの調査」に本腰を入れ始めた事情 国の安全保障に関わる重要な問題

長谷川 幸洋

2022/05/20 06:00ここにきてアメリカ政府と米軍が、「UFOの調査」に本腰を入れ始めた事情 国の安全保障に関わる重要な問題 (msn.com)

米議会でUFOが取り上げられる

未確認飛行物体(UFO)は実在するのだろうか。米下院情報特別委員会の小委員会は2022517日、50年ぶりにUFOに関する公聴会を開いた。ロシアのウクライナ侵攻で忙しい最中に、議会がUFO問題を議論するあたりに、私は「米国の懐の深さ」を感じてしまう。

公聴会には、国防総省の高官2人が出席し、UFOと思われる2本のビデオ動画を紹介しつつ、調査の現状を報告した。その結論は「それが、いったい何なのか、政府の能力では説明できない」というものだった。

UFOの正体そのものにも興味をそそられるが、この際、それは措くとしよう。注目したいのは、いよいよ米政府がUFO調査に本腰を入れ始めた点である。


 
スコット・ブレイ海軍情報局副局長[Photo by gettyimages

公聴会に先立って、米国の国家情報長官室(ODNI)は昨年6月、国防総省や海軍などの協力を得て、UFOについて9ページの報告書を発表している。

それによれば、2004年から21年までに、144件のUFO(報告書はUAPunidentified aerial phenomena=未確認空中現象と名付けている)が報告されていた。その後、今回の公聴会までに、報告件数は約400件にまで増えた。昨年の報告書がきっかけになって、軍人を中心とした目撃者たちに重い口を開かせたのだ。

公開された動画の1本には、緑色の三角形の物体が飛んでいる様子が映っている。公聴会に出席したスコット・ブレイ海軍情報局副局長は「三角形に見えるのは、暗視ゴーグルを通過した光をカメラで記録したためだ。これは無人空中システム(unmanned aerial systems)だ」と述べた。

聞き慣れない呼び方だが、そうとでも言わない限り、説明できないからだろう。日本の一部メディアは、これを「ドローン」と表現したが、正確とは言えない。ドローンなら、そう語ったはずだ。

もう1本は昨年、海軍のパイロットが撮影したもので「丸い物体」がコックピットの前を高速で横切っている。ブレイ氏は「その物体が何であるか、説明できない」と語った。

ブレイ氏によれば、UAPと米国航空機のニアミスは「少なくとも11件」起きており、他国でもUAPに関する報告がある、という。だが「それらが地球外からやってきたことを示す証拠はない」という。

 これまではアンタッチャブルだった

  今回の公聴会が意義深いのは、これまで米政府や米軍の間では、UFO問題が事実上、タブー視されていたからだ。先に引用したCBSニュースによれば、公聴会を開いた小委員会委員長であるアンドレ・カールソン下院議員(民主党)は会の冒頭、こう述べている。

〈あまりにも長い間、正しい情報分析をするのに、UAPに関わるのは不名誉(stigma)とされてきた。パイロットたちは報告を避け、報告すれば笑われた。国防総省の官僚たちは、UAP問題を裏部屋に押し込み、カーペットの下に隠してきた。それを疑問視する安全保障コミュニティを恐れたからだ。だが、いま我々は知っている。UAPは説明できない。それは真実であり、事実なのだ。それは調査する必要がある。そして、それがもたらす、どんな脅威も軽減されなければならない〉

 

民主党のアンドレ・カールソン下院議員[Photo by gettyimages

 

日本では、UFOと言えば、テレビのバラエティ番組で取り上げられるのが定番になっている。少なくとも、真面目に研究すべき対象とはみられてこなかった。日本はそれで良かったのかもしれないが、米国では、事情がもう少し深刻だ。

なぜなら、カールソン氏の発言にあるように、パイロットなど軍関係者に目撃者が多いのにもかかわらず、軍の上層部に報告すると「オマエは正気か」と疑われ「まともに国の安全保障に携わっている人間」とは、みられなかったからだ。説明不能だからこそ、アンタッチャブルになってしまったのである。

メディアの力で世論が盛り上がった

 一方、そうした事態を打開する試みもあった。

政府の秘密調査や民間グループの調査をニューヨーク・タイムズやナショナル・ジオグラフィック、ヒストリーチャンネルのようなメディアが積極的に取り上げ、真相解明を求める世論を喚起してきたのだ。

たとえば、ヒストリーチャンネルは2019年、元軍人や元国防総省、元中央情報局(CIA)高官らが結成した民間チームが独自に情報を収集し、政府や議会関係者に正式な調査と公聴会の開催を働きかける連続ドキュメント番組を制作し、14回にわたって放映している。日本でも「解禁!米政府UFO機密調査ファイル」と題して放送された。私は、そのすべてを見た。

資金面で調査チームのスポンサーになったのは、ポップ・パンク・バンド「Blink182」のギタリスト、トム・デロング氏だ。チームの中心になったのは、政府調査チームの元責任者で、国防総省の調査方針に不満を抱いて、退職したルイス・エリゾンド氏である。

こうした活動とメディアの報道が、昨年のODNI報告書と今回の公聴会開催につながった、とみていい。

 軍関係者の目撃証言が多い理由

 米軍人の体験談として有名なのは、2004年の「空母ニミッツ事件」である。

 

米軍の空母ニミッツ[Photo by gettyimages

カリフォルニア沖での飛行訓練中、UFOに遭遇したニミッツ乗組員で海軍戦闘機、FA-18の元女性パイロット、アレックス・ディートリッチ退役中尉は、その体験をCNNBBCで「その物体は点から点へと、予想外のジャンプをするように飛んでいた」「推進装置も煙もない。どうやって飛んでいるのか、理解できなかった」と語っている。

彼女は昨年、政府の報告書が発表されてから、素顔をさらして、インタビューに応じているが、初めてメディアに登場したのは、ヒストリーチャンネルの番組だった。当時は軍人がUFO問題を語るのはタブー視されていたので、素顔を隠して、エリゾンド氏に体験を語っていた。彼女のような元軍人の勇気ある証言が、政府を動かしたのである。

軍関係者に目撃証言が多いのは、なぜか軍事施設や軍の訓練領域にUFOが現れるケースが多いからだ。これは「米軍の能力を偵察している」と考えるのが自然だろう。だからこそ、米国は「UFO問題は安全保障に関わる」とみているのだ。

以上のような経過を振り返ると、米国という国のたくましさを感じざるをえない。官僚組織の極みであっておかしくない国防総省や米軍の内部から、体制に流されない人々が現れて、やがて流れを変えていく。それを「ロックギタリストが応援する」というのも、いかにも米国らしい。

米国だけではない。アルゼンチンやペルーなど南米や、欧州でも古くからUFOの目撃証言がある。米政府は他国の関係者にも接触し、情報を集めている。それでも、真実は当分、明らかにならないだろう。だが、UFO問題はもはや「バラエティ・ネタ」ではない。日本も真剣に取り組んだらどうか。

アメリカ軍が「国家に危険をもたらすUFO映像」の存在を認める

2022/09/12 10:46

空を飛ぶ正体不明の物体「UFO」を撮影した映像の中にはいたずら目的のフェイク映像も多く含まれていますが、中にはアメリカ軍によって本物であるというお墨付きを得た映像も存在しています。新たに、アメリカ軍が「UFO映像の情報公開要求」に対して「映像は存在するものの、国家安全保障へ損害を与える可能性があるため公開できない」という旨を回答したことが報告されました。

 U.S. Navy Says ALL UAP/UFO Videos Are Classified And Exempt From Release - The Black Vault
https://www.theblackvault.com/documentarchive/u-s-navy-says-all-uap-ufo-videos-are-classified-and-exempt-from-release/

Navy Says All UFO Videos Classified, Releasing Them ‘Will Harm National Security’

https://www.vice.com/en/article/4axn8p/navy-says-all-ufo-videos-classified-releasing-them-will-harm-national-security

アメリカ軍がUFOの存在を認めたのは今回が初めてではなく、2019年には以下の映像を含む複数の映像を「フェイクではなく本物」であると認めていました。ただし、この際アメリカ軍はUFOではなく「Unidentified Aerial Phenomen(UAP:未確認の空中現象)」という単語を用いており、UAPについて「軍のさまざまな訓練の場において、侵入もしくは操作が目撃された未確認あるいは無許可の飛行物体に付けられる基本的なラベルです」と説明していました。

 FLIR1: Official UAP Footage from the USG for Public Release - YouTube

ビデオプレーヤー: YouTube (プライバシー ポリシー, ご利用条件)

その後20224月に、アメリカ軍は上記のムービーを含む3本のUFO映像を機密解除し、パブリックドメインとして公開しました。機密解除に際して、アメリカ軍の広報担当者であるスーザン・ゴッホ氏は「ムービー中の空中現象は依然として『正体不明』だとされています」「徹底的な調査が行われ、国防総省はこれら機密扱いのムービーの公開を認めても、システムや高度な機能が明らかになることはなく、正体不明の空中現象によって侵入を受けた軍事空域のその後の調査に影響を及ぼすものではないと判断しました」と述べ、正体不明のUFO映像を公開した理由を説明していました。アメリカ軍によって公開された3本のUFO映像は、以下の記事で確認できます。

 「未確認飛行物体」を捉えたムービーをアメリカ国防総省が機密解除 - GIGAZINE

© GIGAZINE 提供

  アメリカ軍によるUFO映像の機密解除の直後に、政府の機密解除情報をまとめるウェブサイト「The Black Vault」は「UAPを撮影したすべての映像の公開」をアメリカ軍に請求したとのこと。The Black Vaultの請求は一度は無視されましたが、請求先を変更しながら複数回にわたって請求を続けた結果、アメリカ軍から「要求されたUAPの映像には機密情報が含まれているため、開示を免除されます」「この情報は軍の作戦や能力に関する貴重な情報を敵に提供し、国家安全保障に損害を及ぼす可能性があります。このため、映像のどの部分も公開のために分離することはできません」という返答を得ることに成功しました。 海外メディアのMotherboardによると、軍事機関は情報公開請求を「存在するか否か」すら明らかにせずに拒否することが多いとのこと。このため、UFO映像の存在を認めているアメリカ軍の返答は興味深いものだとMotherboardは指摘しています。 なお、アメリカ軍はThe Black Vaultへの返答の中で、2020年に3本の映像を機密解除した理由について、第三者によってリークされて公の場で広く議論されたことが情報公開につながったと述べています。