地球を監視している9人の宇宙人 ~我々は決して孤独な存在ではない~

  昨今アメリカが公式にUFOの存在を認めたこともあり、かつてなく地球外生命体に対しての関心が高まっているが、振り返ると宇宙人の存在は、昔から一部の人間には認知されてきた。ここでは、「スタートレック」にも関与したとされる9人の地球外生命体の存在について検証していく。


アメリカ政府が秘密裏に行ったチャネリングセッション

 SF映画の不朽の名作『スタートレック』(放題『宇宙大作戦』)のアイディアのいくつかは実際の異星人からの情報提供であったということは、あまり知られてはいない。その異星人とは「ザ・ナイン」と呼ばれる9人の知的生命体であり、彼らは自らを「異次元からきた地球外生命体である」と述べている。

「ザ・ナイン」とのコンタクトは、1952年にアメリカ政府が極秘で行ったチャネリングセッションで実現した。このセッションはプロジェクト・ペンギンという政府の極秘計画の中で行われ、CIA所属で精神科医であるアンドレア・プハーリックという人物が中心にある人物であった。

プロジェクト・ペンギンは、心理操作や幻覚剤といった薬の調査を行うための研究施設であり、心理学や軍の専門家を集めて特別な研究施設を開設していた。

それは世間一般で考えられているオカルト色の強いものではなく非常に科学的な試みであり、チャネリングに関しても同様であった。霊能力を使って、異次元の存在とコンタクトをとる際も科学的なアプローチがとられ、重要なミッションとして行われた。

その中で彼らはヒンズー教の神秘主義者で医師でもあったリージー・ビノードをチャネリングセッションに招いたが、プハーリックはその際に「ザ・ナイン」と呼ばれる9人の集団との接触に成功したという。

当初彼らは自分たちのことを「宇宙における9つの原理」と語っていたが、次第に自分たちのことを「不滅の存在で、最初から人類を見守っている。神であり案内人だ。人類の守護者であり、創造主である。」と話すようになった。

プハーリックが「あなたは誰ですか?」と尋ねると自身の名前をアトゥムと名乗った。驚くことにその名は古代エジプトの偉大なる創造神の名前だった。

そして彼はエジプトの九柱神「エネアド」についても語った。エネアドは、エジプト神話のヘリオポリス創世神話に登場する神々のことだ。伝説では太陽神アトゥム、大気の神シュウ、湿気の女神デフヌト、大地の神ゲブ、天空の女神ヌト、秩序の神オシリス、全ての王の母イシス、嵐の神セト、死の神ネフティスの9人の神である。


 スタートレックの世界観は「ザ・ナイン」の理想の形

伝説では、エネアドと呼ばれる9人の神々は空に暮らし、上空からエジプトを支配したと言われている。そして時の王であるファラオは彼らエネアドと定期的に交信し、あらゆる事案を相談していたという。つまり古代エジプトの時代に人類を統治していた“神”と呼ばれた知的生命体が、20世紀の近代まで生存していて、現在もなお地球を見守り監視しているということらしい。プハーリックはその偉大なる存在と直接コンタクトしたということになる。

伝説の「ザ・ナイン」との接触後、1958年にプハーリックは自身の私有地で「円卓財団」という研究所をメイン州に開設し、エジプトの神々との交信を続けたが、その立会人として、スタートレックの制作者ジーン・ロッデンベリーと、当時のアシスタントであるジョン・ポビルも参加していた。

ロッデンベリーはその場で彼ら「ザ・ナイン」と交信している霊媒師たちに質問し、情報を集めていたという。スタートレックのヒントはそうしたチャネリングの中で培われた部分があるという。

またスタートレックをご存じの方ならわかることだが、ストーリーの中には惑星連邦という概念が存在している。これらは「ザ・ナイン」がチャネリングでブハーリックに伝えていたことと合致する。彼はこのイメージを9人の知的生命体から直接事実として受け取っていたと考えてもおかしくはない。

スタートレックの時代設定を見ても、地球からは貧困や戦争などが根絶されており、見た目や無知からくる偏見、差別も存在しない。ある意味で理想的な世界となっている。貨幣経済はなくなり、人間は富や欲望ではなく人間性の向上を目指して働いている。

それはロッデンベリーが彼ら「ザ・ナイン」の理想とする地球の在り方を代弁する形で世に出された作品といっても良いのではないだろうか。

そしてこの惑星連邦という概念は、20131230日、ロシアトゥデイによるインタビューで、元カナダの国防長官ポール・ヘリヤー氏が語ったことと同じである。

「宇宙人が地球を訪れていることを知っている。彼らには惑星連邦という組織があり、その連邦規制がある。われわれは彼らの連邦規制によって注意深く監視されている。」

 退役したとはいえ元カナダ政府の国防長官まで務めた者が、国際放送で取り上げた意味は大きい。また彼はこうも続ける。

「惑星連邦は、“最優先指令”を設けている。それは現在進化中の文明については、その成長を妨げることを禁じるという内容である。まだ惑星間移動を達成していない未熟な文明において、宇宙人がそこに現れてその正体を明かしてはならないという規制がある。社会の準備が整い、社会全体が他の天体の生命を受け入れる段階にまで成熟したことを確認できない限り、地球外生命体は自分たちの身分をあかしては明かしてはならない。宇宙人の存在により、社会が混乱したり秩序が保たれなくなっては困るからだ。」

 確かに地球に来訪する宇宙人の存在は否定しようがないにも関わらず、現在もはっきりとした形では我々の前に出現していない。まさに現在の地球人に対して該当する規制であるようである。

 

世界で見られる9人の神にまつわる神話

 非常に興味深い「ザ・ナイン」という生命体の存在であるが、実はこの9人の神々という伝説は世界中に存在している。

 ギリシア神話ではオリュンポス12神が有名だが、ゼウスは人類を監視するための9人の議会を作った。そして時々会議を開いて人類に対する決めごとをしていたという。

 またメソアメリカのアステカ族は、“夜の九王”という9人の王を崇拝していたし、イタリア半島の先住民族であった古代エトルリア人たちは、人類の運命に影響を与えたとされる9人の神々を信仰していた。インドのアショーカ王の前に現れた「九人の賢者」も同様である。

 さらに東南アジアや中国で信仰されている道教では、天に住む強大な力を持った九皇大帝を祀る。これら九人の天の神々は、宇宙を支配し地球の秩序を守ることが彼らの務めとされている。さらに伝説によると彼らは北斗七星に2つの伴星をあわせた9つの星から来たともいわれている。この北斗七星は日本の皇室にも深い関りがある。

 大嘗祭は、日本の天皇が皇位継承に際して行う宮中祭祀だが、北極星と北斗七星に1つの輔星を合わせた北斗九星が祭られるほど重要視されている。

 また埼玉県には日本最大級の円墳として知られる丸墓山古墳とそれを取り巻くように前方後円墳が並べられた「さきたま古墳群」があるが、その形は、北斗八星と北極星を模した9つの配置になっている。

 

現代も地球に深く関わる9人の神の存在

  古代から人類の行く末を見守っているとされる「ザ・ナイン」であるが、それ以降も彼らは我々にメッセージを送り続けている。1970年にプハーリックはその活動の中でユリ・ゲラーを紹介している。

 彼は「ザ・ナイン」に選ばれた能力者であり、一時期ブハーリックと行動を共にしたようであったが、スプーン曲げで有名になる前後に別の道を歩むことになった。

 しかしその後もプハーリックは他のチャネラーを通じて「ザ・ナイン」との接触を続ける。

 別のチャネラーとチームを作り、彼ら「ザ・ナイン」の下した任務を遂行するために中東などの紛争地域を旅行し、平和の瞑想などを行っている。

 またいくつかのグループが彼らに協力する形で登場しはじめた。エサレン研究所やLL研究所がその例である。興味深いことにラーと名乗る「ザ・ナイン」の一人から「土星会議と呼ばれる地球の保護と隔離を行う組織」の話や「構成するメンバーが変化しても定例会議は9人である。これを支援する24人が存在する。」といった内容のメッセージを受け取っている。

 しかし1978年プハーリックの自宅が原因不明の不審火によって全焼し、彼はその後「ザ・ナイン」との関係を絶ち、1995年に借家の階段から転落して死亡してしまう。

 とはいえ、「ザ・ナイン」は他のチャネラーを通じて今も人類に対してメッセージを送り続けているようである。彼らのメッセージの受信役は変わっていくが、その内容は一貫している。人類は地球外生命体の関与を受けて創造され、今も彼らが地球を見守っているということである。また別のチャネラーを通じて以下のようなメッセージを送っている。

 「私たちが何者であるかを理解しようとする人はたくさんいます。地球人であるあなた方にとって、理解できないことを受け入れるのは難しいことなのです。時には理解しようとする試みが宇宙の真実を彩ることもあります。人間の心は完全には理解できないので、部分を解くための鍵があるだけです。私たちが何者であるかについては、多くの解釈があり、また多くの葛藤があります。そうですね、将来別の意識レベルで自分たちのことを説明しようとするでしょうが、まずは地球が、私たちを理解できるような進化した意識状態にならなければなりません。」

 また異星人エロヒムからのメッセージを受けたとされるクロード・ラエルのメッセージによると、地球の近くには銀河間宇宙船があり、7つの地域の代表と宇宙船の責任者2人を加えた9人が常員となって、常に地球の近くに滞在しているという記述がある。この内容も「ザ・ナイン」と同義であると思えてならない。

 断片的な情報ではあるが、我々人類を監視しているのは、ごく少数の知的生命体だけではなく、かなりの数の、それも様々な知的生命体が我々地球を興味深く見守っているということが窺える。そして我々人類の進歩はまだまだ他の星の文明と比べると未熟であるようだ。

 憶測の域を超えない情報も多いが、それでも「ザ・ナイン」の存在は決して後ろ向きの話ではないので、ここは謙虚になって、彼らの助言に耳を傾けてみれば、我々が向かうべき新たなステージが見えてくるかもしれない。



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