ダリネゴルスクUFO墜落事件 ~ロシアで回収された金属片と磁気を帯びた鉛玉の謎~

ロシアのUFOスポット

ロシア・UFO出現・目撃動画

(本文出典は、月刊ムー№475 2020年6月号記事より)

 ロシアベルミ地方「モリョブカ・トライアングル」

UFO多発地帯。

19世紀初頭に地元教会の神父が正体不明の飛行物体を目撃したのが最古の事例。その後も火球やヒト形の巨大な影など様々な形状の飛行物体が目撃された。

 

ロシア北部中央エカテリンブルク「スヴェルドロフスク・トライアングル」

旧ソ連時代に最もUFOの目撃が多発したところ。8090年代に目撃が多発しすぎて「UFOの通り道」として世界中から注目を集める。

 

1908年ツングースカ爆発事件

UFOが上空で爆発した事件。

 

1968年ベレゾフスキー事件

スベルドロフスク近郊の森林地帯にUFOが落下する。

ソ連崩壊後に海外へ映像フィルムがリークされる。地面に突き刺さった直径5mのUFO、現場検証を行う科学者集団、現場警戒を行うと思われる軍属が映り込んでいる。


2013年隕石落下事件

チェリャビンスク州が衝撃波で覆われた。



1986125日 ダリネゴルスク墜落事件

午後7:55極寒の夜空にオレンジがかった赤い光球が飛来、南西方向から飛んできた光球はダリネゴルスク上空を横切った後、イズヴェストコヴァ山に激突した。物体の大きさは直径1mほど、形状は真円に近い形状、翼や窓のような構造物は認められなかった。表面はよく研磨されたステンレス鋼を連想させる物質であったといわれる。

 低空域を飛ぶ物体は、イズヴェストコヴァ山上空に達したところで、ふらつき、制御を失ったように墜落、落下時の衝撃音は極めて短かったようであり、聞こえなかったという者もいるが、衝撃音とともに振動を体感したという証言もある。

 その後フラッシュのような強い光が瞬き、赤みがかった白い大きな炎があがった。炎が燃え続けた時間については、12分という主張、1時間、或いは夜半すぎまで延焼したとする者もいて証言が様々多岐にわたる。

 またその正体をUFOではなく、隕石やロケットなどの既知の飛行物体の破片であったと主張する者も存在する。

 事件現場での科学者たちが行ったクロノメーターを使った検証結果によると、物体は700800m上空を秒速15mで飛行していたことが判明している。少なくとも誤認のレベルではない。


専門家を驚嘆させた結晶配列

UFO墜落の物証となるサンプルの収集と検証に尽力したのは、当地の博物館館長を務めていたヴァレリー・ダズィルニー氏である。墜落事件から3日後にダズィルニー氏は調査隊と共に現場に入った。墜落した物体の確認は叶わなかったものの、墜落地点と思われる“爆心地”とその周辺から貴重なサンプルを数多く獲得できた。

磁気を帯びたケイ酸塩から成る真丸=鉛玉の破片はそのうちの一つである。本来、磁気は高温によって消失する。

しかしダズィルニー氏が採取した岩には正反対の現象が発生していた。磁力をまとうレンガ質の岩が地球上の法則から外れた存在であることはいうまでもない。他には直径15㎜ほどの正体不明の飛沫が固形化した不自然な物質も約30g検出されている。溶けた金属の飛沫らしきものは軟弱金属を思わせるものだった。さらに墜落を目撃していた現地の住民たちによって、物体の墜落時に折れたと思われる木々、燃え残った切り株、飛沫状の金属が付着した岩など、謎めいたサンプルが現地で採取され、博物館に持ち込まれている。

ダズィルニー氏は、これらの不可解なUFO墜落時の物質の検証を地元企業の研究所に依頼する。周期表に記載されている17種類の元素から成る合金であることが判明したが、この結果がさらに謎を招くこととなる。

例えば、比較的大きな35㎜の固形化した飛沫は、クロミウムとニッケル、アルミニウムが主成分の合金であった。しかも本来であれば結晶状の構造であるべき合金が、石鹸に近い非結晶性であったのだ。

だが非結晶性構造の金属は、高温で液化させた金属を液体ヘリウムで冷却できる設備が整った施設でしか生成できない。

より精度の高い検証が加えられた結果、実際には約17ミクロンの微細な糸状構造の集合体、小さな網目構造であることが判明したのである。

精緻かつ特異な網目構造の存在は専門家であっても驚きを禁じ得なかった。サンプルの結晶配列における原子間の距離は3.84オングストローム(100万分の1㎜)で、金属の通常間隔とされる3.86オングストロームよりも短かったからだ。

専門家チームは物質から検出された複数種の元素を徹底的に調べ上げ、金成分が鉱床1トンあたり1100gと通常の500倍以上含まれていることを発見する。電子顕微鏡を使用した観察では、精緻な網目状構造の表面に厚さ17ミクロンの石英糸が編み込まれていることを明らかにした。

さらに注意深く観察していくと、網目状構造の中心部には極めて微細な“金色の線”が埋め込まれていることも判明した。周期表を元にして考える限り、このような組成の物質が自然形成されることはありえないのである。


土壌から採取した金属でUFOは機体を修理した?

 不可解な構造物の解明には、ロシア科学アカデミーのアレクセイ・クリコフ博士も取り組んでいる。しかし地質学、鉱物学部門を率いる博士の知見をもってしても、網目状構造の物質の正体や組成の過程についての解明は叶わず、「ガラス状炭素を思わせるこれらの物質は超高温の環境下でなければ生成は不可能」と結論づけるのが精一杯だった。

 いずれにしても博士の言葉通り、現場が超高温の環境下にあったのは間違いない。住民たちが持ち込んだサンプルに含まれていた、溶けた切り株がその証拠となる。燃えた木は炭素にに変化して木炭になるのが普通である。だが現場のそれは、木炭化したものが、さらに溶けたものであった。炭素の融点は摂氏3000℃、つまり溶けた切り株は、現場一帯が摂氏3000℃を超える高温状態にあったことを示す確かな物証なのである。

 その後の調査では、この地には存在しない成分が現場サンプルから検出されている。ダズィルニー氏の依頼で調査に参加したイズミラン磁性研究所の所見によれば、サンプルの構成物質の一部はダリネゴルスクの土壌に存在しないもの、例えば岩に付着していた飛沫上の鉛は、バイカル地方コロドネンスキーの土壌に含まれるものであったのだ。それはつまり、別々のエリアに存在する金属が当地で合成されていたことを意味する。前述の通り、金属を合成するためには設備が必要となるが、現地にそうした施設は存在しない。そうだとすれば誰が何のために、いかなる手段で金属を合成したのか?

 ダズィルニー氏は「地球外から飛来したUFOがイヴェストコヴァ山に墜落し、周辺一帯の土壌から採取できる鉱物成分を、破損した機体の修理に使用した。」という見解を述べている。この説に従えば、何もない冬山で金属が合成されたことも、残留物以外に激突した物体が存在しなかったことも説明がつく。

動画




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