メソポタミア文明の起源 ~アヌンナキ&オアネス~

宇宙考古学とオーパーツ
「宇宙考古学」或いは「古代宇宙飛行士説」と呼ばれることもあるが、簡単にいえば遥かな昔に異星人が地球を訪れ、人類の起源や文明の発生に何らかの関りをもったのではないか、とする見解である。そのため「太古宇宙飛行士来訪説」といわれることもある。

この見解は、かなり古くから唱えられていたが、最初に大きなセンセーショナルを巻き起こしたのは、エーリッヒ・フォン・デニケン博士が1968年に著した「未来の記憶」であったととされている。著書の中でデニケン博士は、巨大な考古学的遺跡やオーパーツは、異星人の技術で作られたものであるとし、そもそも人類自体が彼らによって意図的に創造されたもの、とした。そして神話に登場する神々は、こうした異星人を神格化したものである、という。

デニケン博士は、以降『星への帰還』『宇宙人の謎』といった著作を残している。そこではなぜ異星人が地球に飛来したのか?なぜ彼らは類人猿から人類を創造したのか?といったテーマ設定で研究を進めていった。

原則的にデニケン博士以降の宇宙考古学支持者は、これらデニケン博士の見解を基軸にしているといって過言ではない。

注目を集めているのは、古代の地球では存在し得なかったはずの物理的な痕跡(オーパーツ)であり、或いはピラミッドやナスカの地上絵といった巨大考古学的建造物(遺物)である。中でもシュメール文明や古代エジプト、古代マヤ文明などでみられる「電池」「飛行機」「水晶ドクロ」といった、テクノロジーの象徴のような謎のオーパーツは、宇宙考古学の主張を補足するものとして、しばしば取り上げられるものである。



惑星ニビルの住人アヌンナキ

今から6000年前に開花したシュメール文明は、孤立した言語体系と独自の高度な文明を持ち、民族の身体的特徴も独特なことから、周辺文明とは系統が異なると考えられている。

そうなるとシュメール文明は、どのように生まれ、どこに消えたのか?

謎を解く鍵はシュメールの神「アヌンナキ」が握っている。宇宙考古学者のゼカリア・シッチン氏の研究によるとメソポタミアから出土したシュメールの粘土板には、火星と木星の間を長楕円軌道で横切る未知の惑星「ニビル」が描かれており、それは3600年ごとに地球に接近する放浪惑星で、災厄をもたらす赤い巨星であるという。

シュメール人は、このニビルを畏怖し、崇拝した。なぜならそこには彼らの神であり、シュメール語で、「天より地に降り来る者」を意味するアヌンナキが君臨していたからだ。

シュメールの古文書によると太陽系には火星と木星の間に惑星「ティアマト」があり、地球は存在しなかった。しかし太陽系に侵入したニビルがティアマトと衝突する。半分はそのまま小惑星帯となり、吹き飛ばされたもう半分は、金星と火星の間に停止し、今日の地球となった。その経緯はシュメールの神話が原点であるという。『旧約聖書』の「創世記」にも記されている。

かくしてアヌンナキは地球を植民惑星とし、同時に自らを模した人類を創造した。

アヌンナキの地球支配は長く続いたが、ニビルが最接近した紀元前3800年、隷属民としていた人類に文明を授ける決断が下された。同時にアヌンナキとの仲介者となる人類の王を選出する。その最初の王がおかれたメソポタミアで発展したのがシュメール文明であった。シュメールはアヌンナキが興した人類の最初の文明だったのである。

しかしその創造神がシュメールの滅亡を招く。地球統治をめぐる神々の戦いで核兵器を使用し、メソポタミアを焦土と化した。『旧約聖書』のソドムとゴモラの戦いである。自らの行為を恥じたアヌンナキは、地球を中立地帯と定め、自らの惑星へ帰還した。だがニビルは3600年ごとに太陽系を訪れる。その再来が果たされたときに一体何が起こるのであろうか?

魚と人間の双頭神オアネス

古代シュメールの粘土板に刻まれた神話には、アヌンナキとは別に「オアネス」と呼ばれる海神が登場する。

その最大の特徴で、アヌンナキとの決定的な違いは魚と人間という二つの頭を有する“双頭の神”であるということだ。頭だけでなく全身のほとんどをうろこが覆っているが、尾ひれの内側に人間に近しい2本の足を持つ。半人半魚ともいえる姿をしているが、人間と同じ言葉を話したという。

ペルシア湾から突然姿を消したこの海神オアネスは、日中は人間とともに過ごし、日没になると海に帰って海中ですごしていたようだ。オアネスはおよそ7日間かけてあらゆる知識をシュメールの人々に授けたとされている。その存在は「オアンネス」としてバビロニア時代にも伝承され、神官ベロッソスによる次のような記述も残っている。

「原始的な生活を送っていた人類の祖先に、科学、芸術、文学への目を開かせた。まさに文明の教師だった。こうして神殿建築技術が、法律の何たるかが、その編纂方法が、そして幾何学が、人間のものになったのである。」

実はオアネスの伝説と類型の似た古代神が他にも存在する。アフリカ西部、マリ共和国の先住民ドゴン族の神話に登場する「ノンモ」だ。ドゴン族は、文明と無縁な暮らしをしていながら、現代の天文学者でさえ驚愕させる高度な天文知識を有している。実際19世紀になるまで発見されていなかった白色矮星シリウスBの存在を太古の時代から知っていたのだ。こうした知識をもたらしたのが、ノンモなのである。

シリウスBをめぐる惑星から飛来したといわれるノンモは、未開であった人間にさまざまな知識を授けた後に帰還したと伝承されている。

その姿は魚によく似ており、水陸両棲の神であるといわれる。この伝承がオアネスの神話と共通していると感じられる。オアネスとノンモは、おそらく同一の存在であり、異星人であった可能性が考えられる。

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